まばゆい雪の日の記憶 #ぶろぐのぶ

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雪
数日前から降雪が継続していた。雪の深さはすでに大人の背丈を超えていた。

二階建ての家の一階は完全に雪に埋まり、玄関から家の外に出ることはできない。

父に抱きかかえられて、ぼくは二階の窓から家の外に出た。家の外に出た父とぼくは、はしごで二階の屋根に登った。

一面の雪景色。昨日の雪の上に新しい雪が積もって、新しい景色に生まれ変わっている。

見えるものは白い雪ばかり。真っ白のふわふわの中に、ところどころ、家の屋根らしきものが見えていた。

朝の日差しが雪に反射して眩しい。もう、目の中は白一色で埋め尽くされている。家々の屋根の輪郭もぼやけてよくわからない。

父とぼくは『雪かき』と称して二階の屋根に登ったはずだか、なぜか、二階の屋根からそりすべりをして遊んでいた。

二階の屋根からそりで滑ったら、おそらく、着地は一階の屋根の高さになると思われるのだが、そこまでそりでジャンプしたのだろうか?

これは、ぼくの記憶の中に残る一番古い記憶。その記憶の中には4つ下の妹は現れないから、おそらく、3歳のときのお正月休みのときに違いない。

ぼくの母の実家は、新潟県柏崎市。

新潟といえば豪雪地帯で有名だが、柏崎は海のそばなので、さほど雪は積もらない。

ぼくの記憶が正しければ、あの風景は、昭和44年の年末か、45年の新年のことだ。その年は雪が多く、珍しくたくさん積もったのだろう。

幼い頃、夏休みと冬休みは、毎年柏崎の母の実家に帰っていた。

夏休みは毎日海で遊んだ。

夏の日の思い出
夏の日の思い出
夏の日の思い出ぼくは夏生まれということもあってか、子供の頃から夏という季節が大好きだった。それはきっと夏休みがあったからという理...

夏休みは「海」が楽しみだったが、冬休みは『雪』が楽しみだった。

国鉄(今のJR)大阪駅から、特急「北越」か「白鳥」に乗る。「北越」は大阪発新潟行き。「白鳥」は大阪発青森行き。

今では「北陸新幹線」の開通によって、新潟方面への直通の特急はなくなってしまったが、その頃は日に数本の特急が走っていた。

特急は、大阪、京都、滋賀、福井、石川、富山の各府県を通り抜け、新潟県へ至る。

京都府と福井県の県境にある長い「北陸トンネル」を抜けると、そこはもう「北陸」。

景色は次第に雪深くなり、気持ちは『雪』によって高ぶってくる。富山付近で車内販売されていた「ますのすし」を母に買ってもらって食べ、高ぶる気持ちを抑えながら、車窓から見える白い北アルプスの山々を眺める。

「北越」は柏崎に停車する。「白鳥」は柏崎に停車しないので、一つ前の「直江津」で急行に乗り換える。

昨年2016年の大河ドラマ「真田丸」で、上杉家の家臣「直江兼続」が登場するが、直江家の領地だったのが直江津である。なんとなく、懐かしさとともに、直江兼続に親しみを感じた。…これは余談。

柏崎に着くと、祖父が駅まで車で迎えに来てくれていた。祖父の運転はかなり怪しかったが、雪道での運転はさらに怪しさに拍車をかけていた。

おまけに祖父は耳が遠い。若い頃から鉄工所で働いていたからだと聞いていた。

まろ
おじいちゃん、パトカーが『停まりなさい!』って言うてるで?

車の窓は吐く息で曇り、外の様子をうかがうことができなかったが、パトカーの赤色灯がくるくる回っているのが見えた。

どうやら、運転の怪しい車を見つけたので「怪しい」と思われて停められたらしい。

この話は、祖父の葬式が済んでからも、語り草になっている。

新潟県は豪雪地帯を抱えるが、大阪ではほとんど雪は積もらない。

もちろん、雪は降る。12月になったら寒い日に雪がちらちら舞うことはある。

だが、ほとんど積もることはない。

大陸から吹き付ける北風は、日本海の暖流によって、たくさんの湿り気を含んで日本へやって来る。

湿り気を含んだ冷たい北風は、日本の背骨である山々にぶつかり、雪を降らせる。

日本海側に雪が多いのはこのためである。

日本の背骨の山々を超えて来た北風は、たくさんの雪を降らせたあとなので、太平洋側に抜けて来たときにはカラカラに乾いてしまったいる。

福井県や京都府、兵庫県の日本海側で雪を降らせた湿った北風は、カラカラのスカスカになって大阪府に流れてくる。

カラカラのスカスカの北風に、たくさんの湿った雪を降らせる余力は、ない。

北風が余力を振り絞ぼることで乾いた雪が降り、家々の屋根や道路をときに白く薄化粧させることはある。しかし、乾いた雪は強い北風によって飛ばされ、積もることは滅多にない。

しかし、季節が進み、2月〜3月頃になると、低気圧が日本の太平洋側の南海上を西から東へ発達しながら進むことがある。

『南岸低気圧』である。

南岸低気圧は、太平洋側にも雪を降らせる。このときの雪が降るメカニズムは、日本海側に雪が降るときのメカニズムとは異なる。

南からの湿った空気が低気圧の中心に向かって流れ込む。湿った空気は「雪雲」となって発達し、太平洋側にも雪を降らせるのだ。

この雪は、日本の背骨を超えて来た北風が降らせた乾いた雪とは異なり、重く湿った雪だ。ある程度降り続けると、積もってくる。

みるみるうちに積もってくる。気がつくと、道路には数センチの積雪。雪に慣れない太平洋側の都市は雪に弱い。

雪国の人達から見れば、なぜにその程度の雪で大騒ぎするのか分からないかもしれない。

年に幾度もない積雪のためにスタッドレスタイヤに履き替えるなどという風習は大阪には皆無なのだ。

ノーマルタイヤの車がほとんどの大阪では、交通網は大混乱に陥る。身の程知らずの「挑戦者」が車を出した途端、スタックしたり、滑って溝にはめたり、追突したり。

自宅がある住宅街から最寄り駅までのバスはスタッドレスタイヤに履き替えているので運行に支障はない。

しかし、無謀な挑戦者によって障害物と化した車がバスの運行を妨げ、電車の駅まで行くことができない。

そういう日はハナから諦めて、会社を休む。

車通勤の嫁さんも車を出せないから休み。息子たちが小さい頃は保育園にも行けないから休み。家族揃ってお休み。息子たちとしばし雪遊びをして楽しんだ。

雪だるまを作ったり、雪合戦をしたり、息子たちが遊んでいるところを写真に撮ったり。日常とは異なる非日常を楽しんだ。

雪が降って積もると日常生活に支障がでる。会社に行けなくなるのはとても困る。

しかし、雪が降ると少しセンチメンタルな気持ちになるのは、ぼくが小さい頃の記憶と、今ではもう大きくなってしまった息子たちが小さかった頃の記憶が、ぼくの心の中に蘇ってくるから。

困ると思いながらも、どこか心の中で「雪が積もるといいな」と密かに思っているぼくがいる。

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2017年1月の#ぶろぐのぶ

今月の#ぶろぐのぶのお題は、今月からレギュラーメンバーに加わってくれたのこさん(@nokokoro_r)が出題した

大人 雪 継続

の3つのお題から書きました。「雪」が降ると聞けば、なんとなく嬉しいですよね。

雪国の人にとってみたら、厄介もんでしょうけど。

雪が滅多に降らない地域に住んでいる人間のたわごとだと思ってください。

では、また来月、#ぶろぐのぶでお会いしましょう。
ほなまたね。さいなら〜ヽ(´ー`)

WEBのシステムを作ったり保守したりするSE/プログラマというものをしています。

ブログやってますがブロガーではありません。週末WEB随筆家です。
まろと呼んでください。

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